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筑波大学との共同研究をベースに立ち上げたMoBiolグループ(本社:シンガポール、研究所:茨城県つくば市/最高経営責任者:中島 敏秀)と、鯖やグループ(本部:大阪府豊中市/最高経営責任者:右田 孝宣)は、持続可能で質の高いサバ養殖の共同研究を始めるにあたり、2020年8月3日(月)に業務提携契約を締結いたしました。
MoBiolグループは、筑波大学との共同研究を基礎にして培った微細藻類の専門的な知識と生産技術を強みにしております。その中でも、環境問題を引き起こすパーム残渣を微細藻類を用いて浄化、その過程で増殖した微細藻類よりオメガ3を含む油脂の効率的な生産及び抽出技術を開発し、特許化に成功しました。
鯖やグループは、「サバマーケット創造企業」として、さば寿司を製造・販売する「鯖や」、さば料理専門店を運営する「SABAR」、サバの海面養殖などを手掛ける「フィッシュ・バイオテック」を展開しています。サバの生産から販売、観光資源としての活用など、サバのある生活をお客さまに提供することで、国内の水産流通構造に改革をもたらし、日本の水産業の発展と国内食糧自給力の向上に取り組んでまいりました。
今回の提携を通じて、パーム残渣を有効活用し環境課題の解決を目指すと共に、微細藻類を用いて品質の高い養殖魚を育成、環境負荷の高い養殖産業をより持続可能なものへと変革し、人々の未来に必要とされる水産養殖を確立することを目指していきます。なお、今回の提携に併せて、2020年11月2日(月)より、和歌山県串本にある鯖やグループの養殖漁場にて、 MoBiolグループの技術(藻類由来の高品質DHAの生産技術)を活用した実証実験を開始いたします。
■業務提携概要
1. 持続可能な養殖業の実現にむけて
天然資源への負荷の少ない水産養殖が世界の潮流になっています。しかしながら、日本の養殖業は、南米などで漁獲された小魚を粉砕した魚粉や魚油などの原料を多く消費しており、天然資源依存度が非常に高いのが特徴です。当該業務提携を通じて、MoBiolグループは、鯖やグループへ魚粉及び魚油の代わりになる微細藻類を提供し、天然資源への圧迫を少なくする養殖業の確立を目指します。
2. パーム環境の再生を通じて循環型社会の実現へ
日本では馴染みの薄いパームオイルですが、実は世界で最も消費されている植物油脂です。インドネシアを中心に生産量が増加していますが、オイル生産副産物が環境汚染を助長しているのが実態です。MoBiolグループは、当該副産物を浄化する技術を保有、鯖やグループがそこから出てくる微細藻類を有効活用する事で、MoBiolグループの技術が普及し、パーム環境課題の解決を促進します。その微細藻類を使った持続可能な水産養殖を鯖やグループで普及させる事で、循環型社会を実現していきます。
3. 高度な研究、分析を通じた高機能鯖の追求
ただ環境にいいだけのサバを作っていくわけではありません。当該業務提携を通じて、鯖やグループの水産養殖の知見と、MoBiolグループと筑波大学の設備や技術を生かして、魚の“おいしい”を定量化していきます。加えて、当該微細藻類を摂取した魚は、通常よりもオメガ3が豊富に含まれるようになることから、より健康志向に叶った魚を提供していけるようになると考えております。
日本の水産養殖は、ピーク時から比べると生産量が約30%減少しています。日本人の魚離れや、原料価格の高騰、重層的な流通形態が重なり、生産者の収益確保が非常に難しいのが現状です。また、原料そのものの持続可能性についても疑問符がついている昨今、既存の養殖体制は今後さらに苦しくなってくる事が想定されます。
MoBiolグループと鯖やグループは、筑波大学との共同研究をベースにした天然資源に依存しない養殖体制を確立し、双方の強みを掛け合わせる事で、原料供給から販売までを一貫して取り組む事が可能です。持続可能なストーリーと、健康的なサバに価値を感じて頂けるお客様に、適正な価格で提供していく事で、養殖業が抱えている課題を一つ一つ共に解決していけると考えております。
上記の通り、MoBiolグループと鯖やグループは、持続可能な水産養殖モデルを確立していく事で、日本の水産業発展に寄与してまいります。
MoBiolグループ:高田
TEL:080-8181-6973
鯖やグループ:広報 石川
TEL:06-6335-2204
1.概要、目的
和歌山県串本の鯖やグループ(フィッシュ・バイオテック株式会社)のサバ養殖漁場にて、MoBiolグループが提供する微細藻類を使ってサバを養殖していきます。魚粉を置き換える事で、天然資源への負荷を減らすのみならず、魚の健康にも効果を発揮する微細藻類を使用する事で、健康的で活きのいいDHAが豊富なサバを育てて参ります。
また、そこから出てくるサバを分析して、通常の商品と比べて何が違うのかを定量的に分析します。原料によってどう変わるのか、どうすればおいしくなるのかを分析して、原料から魚までを紐づけた“おいしい”サバのスタンダードを確立していきます。
2.期間
2020年11月2日(月)~2021年11月1日(月)まで
3.場所
和歌山県東牟婁郡串本町大島8
4.各社の役割
<MoBiolグループ>
・原料及びその詳細データの提供
・“おいしい”の定義の分析
・実験における知見の提供
・ビジネス化までのコミットメント
点での取組ではなく、全体を通じて不足を補える融通できる関係性。
・成分値の定量的な分析、データ提供
・原料の供給及び藻類の学術的に見た強み
<鯖やグループ>
・串本町の設備を使った実験
・入口(種苗)から出口(成魚)までの育成
・出来た商品の完成製品の市場調査
・MoBiolグループの原料使用と配合飼料化
・魚の販売を通じたパーム課題の背景の啓発
・当社原料と餌を紐づけたブランディング
5.検証項目
・微細藻類を摂取したサバの増体率
・微細藻類を摂取したサバのDHA増加率
・微細藻類を摂取したサバのアミノ酸、脂肪酸分析
・最適な飼料組成の検証
MoBiolグループは、ビジネスを展開する「MoBiol Holdings Pte Ltd (本社:シンガポール)」を中心に、「PT MoBiol Algae Indonesia(本社ジャカルタ)」と、茨城県つくば市に拠点を置く技術会社「MoBiol藻類研究所」の3社からなり、微細藻類の専門的な知識と生産技術を強みに、様々な微細藻類に適した培養技術の開発、および微細藻類から生産される油脂の効率的な生産技術の開発を行っています。
【筑波大学研究拠点】
■株式会社MoBiol藻類研究所
本社所在地 : 茨城県つくば市千現2-1-6 つくば研究支援センターB-5
代 表 者 : 渡邉 信 (筑波大学藻類バイオマス・エネルギーシステム開発研究センター長/特命教授)
事 業 内 容: 微細藻類の研究、技術的知見の提供
設 立 : 2018年4月
資 本 金 : 134万円
【グローバルビジネス推進拠点】
■MoBiol Holdings Pte Ltd
本社所在地 : シンガポール
代 表 者 : 中島 敏秀
事 業 内 容: グループ戦略立案、実行
設 立 : 2019年2月
資 本 金 :US$ 700,000
■PT MoBiol Algae Indonesia
本社所在地 :インドネシアジャカルタ
代 表 者 : Kames Natakusumah
事 業 内 容: 藻類プラントの運営、マーケティング
設 立 : 2019年8月
資 本 金 : US$ 3,000,000
鯖やグループは、さば寿司を製造・販売する「鯖や」、さば料理専門店を運営する「SABAR」、サバの海面養殖などを手掛ける「フィッシュ・バイオテック」の3社からなり、『サバのある生活を提供する』を会社使命とし、サバの総合商社をめざして、日本の水産業の一助となるべく邁進しています。
今までに、「お嬢サバ」や「よっぱらいサバ」などの養殖事業のブランディングに携わり、認知拡大や美味しさを知っていただくために、イベント開催やSABAR 店舗での提供など、積極的に活動してまいりました。
このたびは、和歌山県串本にある鯖やグループの養殖漁場にて、 MoBiolグループの技術(藻類由来の高品質DHAの生産技術)を活用した実証実験を行い、高品質なサバの養殖を確立し、水産業の発展に寄与していくために業務提携を行う運びとなりました。
【鯖養殖研究拠点】
■フィッシュ・バイオテック株式会社
本社所在地 : 大阪府豊中市庄内東町1-7-33-401
代 表 者 : 右田 孝宣
事 業 内 容: 水産養殖事業、水産配合飼料などの開発・製造・販売事業、水産物の卸売事業
設 立 : 2017年7月
資 本 金 : 21.93百万円
【鯖製品の製造】
■株式会社鯖や
本社所在地 : 大阪府豊中市庄内東町1-7-33-401
代 表 者 : 右田 孝宣
事 業 内 容: サバ寿司製造販売・卸、サバ加工食品販売、サバのブランディングな
設 立 : 2007年6月
資 本 金 : 61.59百万円
【さば料理専門店の運営】
■株式会社SABAR
本社所在地 : 大阪府豊中市庄内東町1-7-33-401
代 表 者 : 右田 孝宣
事 業 内 容: 飲食店運営(さば料理専門店、国内外17店舗)、フランチャイズ運営
設 立 : 2014年6月
資 本 金 : 3百万円